廃棄物管理
基本的な考え方
artienceグループはモノづくり企業であり、その生産活動において廃棄物の発生は不可避です。廃棄物の発生しにくい生産プロセスの開発や廃棄物処理方法の検討、リユース・リサイクルなど資源循環の促進、廃棄物削減に関するノウハウのグローバル共有などを通じて、廃棄物発生量の最小化に取り組んでいます。また、国内の廃棄物外部排出量※のうち、廃油・廃プラスチック・廃水が約8割を占めるなか、汚れて再資源化が難しい廃プラスチックなどは有効利用(熱回収を含む)をすることで埋立量の最小化に努めています。
- 廃棄物外部排出量:有価物として売却した量および事業所内で発生した廃棄物のうち、拠点敷地内で再資源化されずに放出した、もしくは処理業者に廃棄処理を委託するために事業所外に移動させた量
目標と実績
目標
実績
廃棄物最終処分量は、最終処分される廃棄物の焼却などの減容化前の量をもって「最終処分量」としており、「廃棄物発生量に対する最終処分量(最終処分率)が1%以下」を「ゼロエミッション」と定義しています。
2024年度は、国内全体の廃棄物発生量に対する最終処分率は0.1%で、すべての事業所でゼロエミッションを達成しています。今後は海外でのゼロエミッションを推進していきます。
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2030年度(目標) |
|---|---|---|---|
| 国内:達成 | 国内:達成 | 国内:達成 | 生産活動全体での3R推進によるゼロエミッション(グループ拠点におけるトータルの廃棄物最終処分率1%以下)を達成 |
| 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 国内 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.2 | 0.1 |
| グループ(国内・海外) | ー | ー | ー | ー | 1.6 |
廃棄物発生量
2024年度は、廃棄物発生量は国内では14,613t(前年度比3.6%増)、海外では13,186t(前年度比6.8%増)となりました。
環境省の「多量排出事業者による産業廃棄物処理計画の策定マニュアル」に基づき、国内の事業所では業者に処理委託する産業廃棄物(処理委託の際にマニフェストを発行する廃棄物)のほか、有価物や自社内での再利用を含めた中間処理前の廃棄物量を「廃棄物発生量」として集計しています。
集計範囲:国内主要製造所・工場と国内関係会社で、海外は海外主要生産関係会社が対象
- 2022年度は、国内関係会社に関西支社(寝屋川)、関西支社(富山)、中部支社(春日井)、東洋インキ北海道(株)、東洋インキ中四国(株)(岡山)、東洋インキ中四国(株)(高松)、東洋インキ九州(株)(福岡)の数値を含みます
- 2023年度は、東洋インキ(株)で組織の統廃合がありましたが集計範囲は2022年度と変更ありません
- 溶剤のリサイクルシステム導入による廃棄溶剤の削減
- 廃棄物の適正管理に関する教育
産業廃棄物削減への取り組み~汚泥減容化装置導入により汚泥の有価化に成功~
東洋FPP(株)(川口)はシリンダー版・フレキソ版の製造を中心とした事業を展開しており、製版加工の過程では廃水処理は必須となっています。場内の廃水処理過程では汚泥が発生し、これまでは産業廃棄物としての処理が必要であり、そのコスト削減が課題となっていました。
一方、サステナビリティビジョンasv2050/2030では2030年までにグループ全体でのゼロエミッション達成と省資源化、資源リサイクルを推進、を掲げています。
目標達成に向けた活動として年間約45t発生する汚泥の減容化を検討したところ、蓄熱式乾燥装置の導入により、東洋FPP(株)で発生する産業廃棄物量全体の約20%を削減することが可能となりました。運搬コストの低減に加え、汚泥に含まれる金属成分のマテリアル再資源先を見つけたことで、有価物としての再資源化を図ることができます。
これにより廃水処理過程で発生していた産業汚泥の発生量は実質ゼロとなります。

2023年5月16日 導入後、最適化条件を検討している様子